Hannover Cl.III

(ハノーファー Cl.III)

 Airfix 1/72 :Completed at 29.Mar.2007



 このVintageなプラモデル(多分1970’s後半)をこの私がが畏れ多くも作っちまおう、というのです。
       ↑新発売当初(1967)にはビニール袋に入ってました。
Hannover001
 裏面はこんな感じ。この塗装指示をみてがっくりきました。胴体は何なのいった い?これ、塗り分けろっての?しかもM2とかM11とか、謎の色指定だ。多分エアフィックスカラーとかいうヤツだろう。お店なんかでも見た記憶ないなあ。 サイトで探してもなんだか出てきません。

Hannover002
   それにしても・・・あぁ、いいのか開けちゃって。(10月4日)



バラバラ〜〜〜っ
Hannover003
あ、開けちまった

さて、それではこれをナントカせねば。
まずは、この困った胴体の塗り分けだが…

 モデルアート別冊「第一次世界大戦ドイツ航空隊エースの塗装とマーキング」という (私が持つ乏し い)資料によれば、1916年に当時のドイツ軍がローゼンジ迷彩を正式採用したとき、「機体にパターン以外の色が見えてはならない」、とい うとんでもない指示が航空機メーカーに出されたとか。それでみんな困って、大抵のメーカーはけっこう初期にそんなのあきらめてしまったのに、なん と、ハルバーシュタットやハノーファーはそれらしい色で機体 の木製部分を塗り分けたというのです。この記述を見たときにはクラクラ〜っときたぜ。指示を出す軍も軍だけど、敗色濃いそんな時期に何でそんな指示を律儀 に守るんだ、ドイツ人!! そんなに職人がヒマしてたのか〜〜〜??? それともやっぱりドイツ的職人気質?

  だがしかたがない。ビンテージなキットを開封しちゃったし。ちゃんと作らなければバチが当たる。ヘタクシズムによる最高技法(なんじゃそりゃ)を駆 使して、やってやろうじゃないか。
  
まずは2Bのシャーペンで下書き。(10月8日)
Hannover004

つづいては、今どき下塗りも何もなしで、細筆で塗り分けていく。
…な、なんと野蛮な…(10月10日)
Hannover007


 一応できてきたけど、実物はなぜか尾部の方へ行くにつれてパターンが細かくなってるみ たいなんだなあ…さあどうする?ピンチだ。でもなかなか楽しくなってきたぞ。それにしても荒っぽい色塗りです。中学時代から進歩なし。ちなみに、使用した 色はすべてMr.カラーで、
1:米海軍ミディアムブルーNo.72
2:三菱系機体内部色No.126
3:GM鉄道カラーの緑2号(湘南電車用)+つや消し白No.62
4:艦底色No.29+パープルNo.67+つや消し白No.62
という、まさしく「気分次第」の仕事。ま、素人が楽しんでいるだけだからね。ヘタクシズムの最高技法ってこの程度だったんですねー(10月14日)
Hannover009


 よし、胴体塗ったぞ。次はいよいよ初見参(といっても2年も前に買ってストックされていた)のイーグルストライク製ローゼンジパターンのデカール貼り だ。初めて開封してみたら説明書が入っていて、布の張り方などについてなかなか詳しい解説とともに、たくさんの資料や協力者のおかげで、今までで一番正確 な色調の製品である、という自慢話が書いてあって思わず納得してしまった。「自慢話」がなにげに好きなんですよ。もっとも私の乏しい英語力で辞書も引かずにざっと見ただけだから違うかもしれないけど。で、それをブロックごとに小分けして貼っていきます。(10月21日)
Hannover010
(ちなみにこの写真はほぼ実物大に写っている)


と、ここまでは順調に進んできていたのだが……

この後、アッと驚く落とし穴が待っていたとは、誰も想像しないのであった!つづく〜!!!!


Hannover Cl.IIIa:part2

(ハノーファー Cl.IIIa:その2)

             

 取りあえずセオリー通り、下翼上面と上翼下面の「布張り」は順調に進行中。この次は張 線用の穴を開 けまくり、いよいよ上翼の取り付けになります。その前に、パイロットの色塗りとか、エンジン・機銃なんかの小間物パーツをやっつけてしまわないとな。 (Oct.24)
と、何事もなかったかのように続いているのだが、前ページの最後の写真と比べて何か違和感ありません?   実は…

そう、何と、ありゃ〜、どひゃー。あぁぁぁぁっ・・・・。(がっくり)
貴重なローゼンジ迷彩のデカールを、こともあろうに下面のものを翼上面に貼ってしまっ たのです…マジ、ショックです。

 実は今月中旬、自宅のヘイの外装工事を行ったのですが、業者が驚くほどの量のタイルを持ち込んだのでびっくり!でも話を伺ってみると、とにかくそのまま のカタチで使用できるタイルなんてそうそうなくて、けっこうあちこち切り欠いたりして使わなければならないので実際に張る面積よりかなり多めに持ってこな いと作業にならないらしい。
 ローレンジパターンも同様で、横流れの模様にして少しずつ貼っていったり、補助翼だけは縦流れに貼らなければいけなかったり、といろいろ組み合わせると イヤに大量の無駄が出る。それなのに…はぁぁぁぁ…思い切りテンション下がりました。


 ま、そんなことばかり言ってもいられないので、気を取り直して先へ進みましょう。キッ ト付属の銃手兼偵察員です。妙に頭でっかちな上に、お腹のあたりにはヒケがあります(修正はしないけど)。パイロット(ここにはいないけど)に比べると ちょっとオーバースケールのような。一応裏地に狐の毛皮を張ったレザーコートというつもりで塗ってみました。と言ってみてもとにかく小さいからね。 (Oct.28)


 次は一風変わった複葉の尾翼です。指が入らなくなることを考えて、まず尾翼にデカールを貼りましょうか。古いですが。どれ、水につけて、と……
写真では無事に貼ってありますけど、実はこの状態になるまでに七転八倒の苦しみが。恐るべし、古デカール!! 

 このデカールの場合、けっこうタフで簡単には破れないというのは幸いでした。実は、全然本体になじんで貼り付いたりはしないのです。何と、あぶったスル メのように四方からめくれあがってしまいました。それをマークセッターを塗りつけながらなじませる、というのを4〜5回も繰り返し、トドメに隅っこの方は 原液の木工ボンドをつけて固定しました。それでもこれはいずれ剥がれてしまうのではないでしょうか。困ったモンだ。でも、もしかすると水につけた時に台紙 から剥離しただけでもラッキーだったかもしれませんね。
 はぁ〜〜主翼とかはどうしよう…もしマークセッターなんかを使いまくってローゼンジパターンが溶け出しちゃったりしたら大変なことになる…思いもよらな いところからとんだトラブル発生だ……ホント楽しませてくれます、いや前途多難です、ここまで来たというのに。(Nov.1)


  さて、上翼の取り付けは緊張の一瞬です。左右胴体の接合も緊張だけど、複葉機の場合この「緊張の一瞬」が二度あるから、一つのプラモデルで 二度お いしいですね。最近は胴体支柱だけで上翼を固定するのがお気に入りの方法です。

 ちなみに写真は翼間支柱を接着して固定中(重しをのせて接着剤の乾燥待ち)のお姿。(Nov.4)


 そして無事上棟式?が終わったところでいよいよ張線張りの開始。(Nov.5)


始めてみたらもう終わった。(Nov.6)
それにしても、子持ちシシャモみたいな胴体だこと。



Hannover Cl.IIIa:part3

(ハノーファー Cl.IIIa:その3)

             

 前回アップしたのが去年の11月アタマだったから、あれからまるまる5ヶ月がたってしまいました。その間、(とにかく設備投資はやる気も無いしできる環境でもないので)取りあえず十文字マークをプリントアウトして切り抜いてテンプレートを 作ってみたり、地球堂の旦那さんに相談したり、いろいろと頭の中(だけ)で考えて、ナントカしようとは思っていたのですが、ついに運命の神は私に微笑みか けたのです。というわけでついに、あっという間に完成してしまいました。


 地球堂の旦那さんの話によると、市販デカールの中に「WWIドイツ軍用機の国籍マーク」というのがあるらしい。しかし滅多に手には入らない、ということ なので、じゃあそれを気長に探そう、ということでついにあとはマーキングのみという状態でキットを片付けてしまったのですが、なんと、偶然件のデカールを ヤフオクで見つけてしまったのです。メーカーが「あの」ペガサス、というところには少し引っかかったのではありますが、そんなことも言ってられないのでも ちろん速攻で落札。結局、国籍マークもローゼンジプリントも、それどころかキットそのものまで、すべてヤフオクで手に入れたことになってしまいました。面白いですね。


 作っている最中は、胴体の強烈な4色迷彩や、色とりどりのローゼンジプリントなどで、ずいぶん派手な感じの飛行機だこと、と思っていましたが、完成してみると、ずいぶんダークな雰囲気を持った作品に仕上がりました。派手な塗装でわざと敵機から目立つようにした、という戦闘機隊と違って、地上攻撃や偵察が主任務の飛行機ということになるとそういう余裕なことを言ってる場合じゃないのでしょう。


 変わった形の複葉式水平尾翼がいい感じ。後部座席から機銃を構えているフィギュアを見ると、どうしても「インディジョーンズ最後の聖戦」で主人公のお父 さんが自分の飛行機の尾翼を打ち抜いてしまう場面が思い浮かびます。この尾翼も、後ろの射界を広く取るためのものらしいが、それほど効果あるのかねぇ。もっとも、ほんの少しのことでも生死を分けることになるのが兵器というものかも知れません。


 一見普通の胴体ですが、よく見ると、操縦席は低く前下方視界を確保し、偵察員席は高い位置に作られていて、機銃の射界もかなり下方に向けることができ、絶妙の造型になっています。かなり主任務に特化した飛行機ですね。


 こういう人形がエアフィックスの魅力の一つだ、と私は強く思っています。最近のキット はなぜ人形が入っていないのでしょうか。



 それにしても、このキットは「古き良き時代のプラモデル」のよいムードを持っています。ほどほどにディテールもプロポーションもよく、その割には細すぎ たり細かすぎたりして壊れやすい、という部品も少なく、作りにくいということがない。おおらかな気持ちになれるのです。こんなキットは最近あまりなくなってしまったように思いますが……

25.Aug. 2012追記:最近エアフィックスが持ち直したようで、このキットも装幀も新たに販売されている。うれしいことです。



inserted by FC2 system