Spad SA2  French  Fighter

スパッドSA2(フランス軍複座戦闘機)

Amodel 1/72 Completed on 2.Jun. 2006

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 この写真をチラッと見た瞬間に「何じゃぁこの異常な飛行機は!!」と思ったあなたはけっこう話せる人かも。


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 そう、これこそ世に名高い?大馬鹿なギロチン戦闘機、スパッドSA2なのです。
ギロチン発祥の国、フランスならではで発想かもですね。
プロペラの場所にご注目です!


 何でこんなヘンな飛行機を作ったのかというと、ようするにドイツ軍のフォッ カーE3に対抗するためだったのですが、そっちは世界初のプロペラ同調式の引き金で命中精度を高めた機銃を装備し、当時無敵の戦闘機でした。その プロペラ同調ができなかったので仕方なくこんなレイアウトにしたのだそうです。もちろん、とんでもないダメ戦闘機でした。何しろ、二人乗りで、運動性能は 悪いし、後に座るパイロットは前方視界が悪くて操縦に苦慮し、前に座る銃手は後頭部のすぐ後ろにブンブン回るプロペラで生きた心地がしなかったでしょう。 しかも、着陸の衝撃とかでこの銃座がそっくり落っこちる事故もあったというのだから、たまりません。私がもし生まれ変わってパイロットに なったとしても、この飛行機の銃手にだけはなりたくないですねえ。

その恐るべきゴンドラです。カンベンしてってカンジ?
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 そして、連合軍側でもプロペラ同調機銃が開発されてからは、この飛行機を、お払い箱に したと思います?トンデモナイ!!帝国主義の頃のヨーロッパ人は悪辣そのもの、この欠陥機を「後進国に輸出する」という暴挙に出たのです。相手はロシア。馬鹿にされ たものです。しかも、当時のロシアが本当に後進国だったかというと、どうなんですかね。たとえばイリアムロメッツみたいな4発機を完成させたりしていたのだからねえ。
 
 さて、キットはそのロシアの「A-Model 」というメーカーのものです。A-Model がどんなメーカーなのかは知りませんが、まあ、こういうほとんど聞いたことのないメーカーのキットを買うときは、何しろ前もって中身をのぞけるわけじゃな いし、いつでも博打の気分ですね。
 これの場合は、封を切って中身を見た瞬間に、ほっそ〜い部品がぶっといランナーにくっついていて、一見精密そうに見えるけど実はめちゃめちゃ扱いにく い! という印象でした。
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 実際作っているうちに、うっかりニッパーを使ってランナーから部品を切り離すときに部品がパキっといっちゃう事故が多発して、その部品だけは伸ばしラン ナーで作り直してあります。上手な人は真鍮線とかでやるんでしょうけどね。

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 でも、この洒落たマーキングは捨てがたい味を出していますね。さすが芸術の国だけある。しかも、翼の構造やそこからうしろのレイアウトは後のスパッドS7みたいな戦闘機にそのまま受け継がれていて、基本設計そのものは悪くないというところも 見せています。

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 ま、技術の過渡期に咲いたあだ花ってやつですかね。
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